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사과는 잘해요

Title/Author/Genre

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    Title: 謝罪が特技です

    Author: イ・ギホ(李起 昊

    Genre: 文学/長編小説

     

    LTI Korea staff: 李善行(イ・ソネン)soyi@klti.or.kr / +82-2-6919-7743

Description

  • About the book

    お前の罪が何だかわかるか?

     

    わざわざフロイトの名を出さずとも、罪の意識は文明社会に生きる者であれば誰もが備えるべき基本的な思念のひとつであると言える。罪の意識がなければ、人は迷わず罪を犯すであろうし、その罪の対価を受け入れようとはしないだろう。そんな「無秩序な」世界を想像することは愉快なことではない上、そういった意味で罪の意識とは秩序の整った文明社会に入場するためのチケットのようなものだと言えるだろう。だが、秩序と文明といったものが果たして価値のあるものだと認められるのだろうか?

     

    著者のイ・ギホは既に「告白時代」という短編小説を通じて、文明または秩序の外に存在する従属階級(subaltern)を主人公に罪を告白することで入場が可能となる世界の恐ろしさを描いたことがあるが、『사과는 잘해요(謝罪が特技です)』では類似したテーマに別の角度からアプローチしている。

     

    この作品はポータルサイトに連載した内容を全面的に加筆修正して出版された。物語はとある保護施設で起きた事件から始まる。浮浪者たちに文明の恩恵を提供する目的で建てられた施設では「保護」という名称とは異なり、監禁と暴力、強制労働が繰り広げられている。暴力をふるう加害者たちは「お前の何がいけないかわかるか?」もしくは「お前の罪が何だかわかるか?」という質問を被害者に繰り返す。いつしか被害者たちは自分たちが本当に何かしらの罪を犯したと思い込む奇異な状態に陥る。そうして主人公であるシボンと「私」は「翌日から私たちは常に罪を重ねて生きていった。自分が犯した罪が何なのかわからないまま、いつも告白から先にした」。告白によって罪の意識が生まれ、その罪の意識を利用して人を手なずける様子が作品の中で描かれている。

     

    無論、主人公たちが監禁されている保護施設を典型的な文明社会として見なすことは難しいだろう。物語は主人公たちが保護施設を出て、普通の人々が暮らす日常に混ざることで新たな展開を迎える。仕事を探すシボンと「私」は自分たちが得意なことが謝罪だという考えに至る。考えてみれば、自分たちは理由なき暴力に対してでも自分の罪を告白し、謝ることができる謝罪屋なのだ。彼らは「あなたの代わりに謝罪します。両親や夫婦、兄弟、身内、友人、近所の方々、職場の同僚、知らない間に犯した罪を代わりに謝罪します」というチラシを配って歩く。

     

    代わりに謝罪するなんて、馬鹿げたことだと思うかもしれない。だが、これはそう単純なことではない。なぜなら、平凡な人生を生きる人々が両親やパートナー、身内、友人、近所の人々、会社の同僚に「知らないうちに」罪を犯していることは紛れもない事実だからだ。単に皆、自分の罪を認めないだけだ。しかし、機械のように無条件に謝ることができる謝罪屋の主人公たちの目には彼らの罪がはっきりと見える。罪とは何か? 物語の最後の方で保護施設の院長が「罪は知らないふりをすることで忘れられるもの」だと言う。おそらく、ほとんどの人は院長が言うように生きていくだろうが、だからといってその罪がなくなるわけではない。それならどうすべきか? 『사과는 잘해요(謝罪が特技です)』は軽快なタッチで物語が進んでいくが、そこから投げかけられる問いは決して軽いものではない。

    About the author

    イ・ギホ(李起昊)は1972年に生まれ、1999年に短編小説『버니(バニー)』を「現代文学」に発表し、小説家としてデビューを果たした。2010年に李孝石(イ・ヒョソク)文学賞、2013年に金承鈺(キム・スンオク)文学賞、2014年に韓国日報文学賞を受賞した。現在、光州大学文芸創作学科教授。主な作品に短編集 『최순덕성령충만기(チェ・ スンドク聖霊充満記)』『갈팡질팡하다가 내 이럴 줄 알았지(おたおたした末、こうなることはわかっていた)』『김 박사는 누구인가?(キム博士は誰なのか?)』と長編小説、『사과는 잘해요(謝罪が特技です)』『차남들의 세계사(次男たちの世界史)』などがある。『차남들의 세계사(次男たちの世界史)』 は『사과는 잘해요(謝罪が特技です)』に続くシリーズ「罪3部作」の2作目の作品である。『사과는 잘해요(謝罪が特技です)』は主に個人間の罪の意識を描いているが、『차남들의 세계사(次男たちの世界史)』 は1980年代初期に軍事政権下である日突然、指名手配された主人公が無罪を証明するために悪戦苦闘する姿を通して国と個人の罪と罰について描いている。

    Media Response/Awards Received

    ユーモアたっぷりの語りと小説の言葉の権威を覆す文章で注目を集めた「次世代作家」であるイ・ギホが初となる長編小説『사과는 잘해요(謝罪が特技です)』を発表した。未熟で子どもっぽい主人公の2人は他人の罪を代わりに謝る「謝罪代行業」でお金を稼ぐことを思いつく。どこか頼りない登場人物と謝罪代行という少々ユニークなテーマが「イ・ギホ節」の健在さを示しているが、制度と暴力、罪の強要と罪の意識という人間の心理に深く切りこんだ物語は語調をトーンダウンさせたことで落ち着きがあり、読みやすい。

    -京郷新聞

     

    笑いたいか、泣きたいか。そのどちらでも「イ・ギホ」を読んだらいい。彼は80年代の「メタディスコース」と90年代の「微視的ディスコース」を切り抜け、今日の文学界において新たなトレンドを築き上げている。涙ぐましい哀愁は古いものと新しいものを習合させるための彼の戦略であり、感覚的な風刺とユーモアは彼の才能であり、陽の当たらない場所に対するスポットライトは彼の本質である。イ・ギホは2000年代における韓国文学界の鋭い風向計のような存在である。

    -パク・ボムシン(朴範信 ・小説家)

     

    イ・ギホの小説からは心臓の鼓動が感じられる。なるべく余計なものは省き、ストーリーは骨格だけ残したままスピーディーに展開する。小説の力に引き込まれ、レールのように敷かれた心の上をガタンゴトンと機関車が通り過ぎる。警笛とライトで暗闇を抜けて、物語が走っていく。文章が太鼓となって世の人々の心を鼓舞する。月も腰を低くして耳を傾ける。機関車が通り過ぎた後、心に長い余韻が侘しく鮮明に残る。彼の小説がありがたい。

    -ハム・ミンボク(咸敏復・詩人)

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